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H.C. Starck Tungsten Powders、コバルトをリサイクルする新たな技術を開発

Goslar、2021年4月15日 – Masan High-Tech Materialsの姉妹会社であるH.C. Starck Tungsten Powdersは、金属スクラップからコバルトをリサイクルする新たなプロセスの研究をGoslarで行っています。 この開発プロジェクトでは、2年以内にパイロットプロセスを実施し、その後より大きな規模に移行できるよう計画しています。 この技術革新に、ニーダーザクセン州が80万ユーロの資金を提供しています。 H.C. Starck Tungsten Powdersは、数十年前から独自のプロセスを運用して主に超硬合金スクラップからタングステンをリサイクルしており、自社の原材料所要量の大部分をGoslarにある最大の生産拠点で補填しています。 こうしたスクラップには、通常5〜20%のコバルトが含まれています。 H.C. Starckは2003年までの数十年間、 Goslarで3桁に上るトン数の二次原料を高純度のコバルトオキサイドとコバルト金属粉末に加工していた実績があるため、その回収についてはノウハウがあります。 従来のプロセスでは、溶解、電気分解、沈殿、抽出、精製など多くの工程を経る必要がありますが、今回のイノベーションプロジェクトは、こうした工程の少ない、効率のより高いプロセスに置き換えることを目的としています。 また、その過程で、エネルギー消費量を削減するなど、環境への影響も抑制していかなければなりません。 「当社は、特に革新力と技術面の専門知識を強みに、市場での地位を確立しています」と、H.C. Starck Tungsten Powdersのグローバル研究開発部門で責任者を務めるDr. Julia Meese-Marktscheffel は語ります。 「当社が誇る金属リサイクルの経験は、市場で入手できる二次原料から別の加工金属を持続的に抽出するという革新的なアプローチに反映されています。 戦略的に重要な加工原料の世界的な大手プロバイダーになるという当社の親会社であるMasan High-Tech Materialsの戦略が、この差別化の一端を担っています。」 欧州では、コバルトを「重要な原材料」として分類しています。コバルトは、超硬合金の延性のあるバインダーマトリックスとしての用途に加え、リチウムイオン電池やポリマー電池によく使用されており、未来を支える重要な「eモビリティ」の面で重要な役割を果たしています。 一次原料の採掘が最も盛んな国はコンゴ民主共和国で、その採掘量は世界全体の約65%を占めています。 プレスリリースをダウンロード